甲冑が好きな人のブログ

西洋甲冑、騎士、ダークファンタジーが好きな方向けに記事を書いています。

アーマードバトルについて

はじめまして。

 

今日はアーマードバトルという競技について紹介します。

 

1.アーマードバトルとは

 非常に簡単に言うと「甲冑などの鎧を着て試合を行う競技」です。

 

 発祥は諸説ありますが、アメリカの団体「Society for Creative Anachronism」(通称SCA)とされています。この団体は1966年に設立されたアメリカのバークレー大学のクラブであり、17世紀以前の中世史・文化の勉強および研究を行っていました。

 その中で当時の白兵戦を再現するため、フェンシングのマスクを着用して木製の剣と盾で戦う、スポーツチャンバラのような単純な競技を行っていました。やがて本格的な活動が始まり、歴史研究や実践の他にも当時の料理や衣装の調理・製作、流行していた音楽やダンスの再現など、活動内容が充実していきます。そうした中で研究の一環として甲冑の製作が始まり、実際に着用して戦闘を再現するようになりました。

 

 なお、アーマードバトルの由来はキャッスル ティンタジェルの代表取締役であるジェイ・ノイズ氏によって命名されました。

 

 現在ではSCAの会員総数は6万人を超えています。活動にはアーマードバトルの他にも弓競技や乗馬のほか、中世における文化的活動の研究・再現も盛んに行われています。

 

2.アーマードバトル以外の甲冑競技

なお、アーマードバトル以外にも「甲冑を装備して戦う」という競技は存在しており

 

(1) HMB(Historical Medieval Battle:国際大会『Battleof the Nations』が有名)


(2) BR(Battle Reenactment:大人数による歴史再現)


(3) HEMA(Historical European Martial Arts:武術としての剣術研究)


 などの団体・ジャンルがあります。一見危険そうな競技ですが、実際には参加者の安全に相当の配慮を行っています。

 具体的には甲冑の強度や近接武器の素材・重量などのルールが厳密に定められており、人体保護の為に史実よりも頑丈な強度になる事もしばしばあります。

 また甲冑の下に着用するクッション材やファウルカップなどで、重ねて怪我をしないよう配慮がされています。一般的なヘヴィファイトではこういったレギュレーションを遵守した「17世紀以前のあらゆる地域における装備」の使用が認められています。

 この為バリエーションは極めて多彩で、十字軍やヴァイキング、日本の武士、ゲームや映画で見たような架空の戦士など、参加者は思い思いの甲冑を着用して競技に臨みます。

 

 この自由度の高さがアーマードバトルの魅力と言えるでしょう。ただし装備は総じて値段が高く、揃えるとなるとそれなりの出費が必要となります。

 

 その為イベントにおいては甲冑のレンタルの他、参加者同士での貸し借りが行われる事もある。海外のメーカーに発注をかけてフルオーダーで甲冑を製作する人もいれば、レギュレーションを遵守して手作りで装備を作る人もおり、それぞれの好みが反映されています。戦う形式も多様で、一対一で戦うトーナメント戦が最もポピュラーですが、多数の参加者による集団戦や特別に製作した砦を攻め、あるいは守る攻城戦などがあります。特に集団戦では大規模なものになると参加者は3000人近くまで上ります。

 

 海外での各種団体におけるイベントは文字通り「お祭り」で、壮麗な甲冑に身を包んだ参加者や、中世の風俗を再現した天幕では料理や酒が振る舞われ、演奏やダンスが披露されます。

 

 日本においてはまだまだマイナーな競技であり、都市圏に活動が限られています。
しかし随時体験参加者やメンバーを募集しているため、興味が沸いたら調べてみるといいかも知れません。