甲冑が好きな人のブログ

西洋甲冑、騎士、ダークファンタジーが好きな方向けに記事を書いています。

「小説 Craft×Craft」裏話

①Craft×Craftについて。

 2022.1.4日。「Craft×Craft」が完結しました。

この作品はサイコスリラー×ガンプラを題材に書いたのですが、今ひとつ盛り上がりに欠けたまま完結を迎えてしまったのは、作者として残念でありました。

 サイコスリラーと調査の描写とガンプラの描写をミックスするのは難しく、調査を進めればガンプラが、ガンプラを進めれば調査が止まる。という悪循環を抱えていました。

 それらを解消するため、GBN内においてフィルムが取引されていると設定したのですが、やはり私の腕ではそれを面白さに昇華させる事は叶いませんでした。しかし良い経験となりました。

今後小説を書く時に更に良い作品が書けるよう頑張ります。

 

補足として、キャラクターの設定を記載しておきます。

 

①峯岸 燈夜

どんなキャラクターにするか、この主人公が一番悩みました。巻き込まれる系にするか、それとも主体的に動くタイプにするか。構想の最後の方まで固まらなかったキャラクターです。結果として、事件には振り回される一方でバトルや調査に関しては主体的に動くタイプに決めました。

 主人公の設定は色々案がありまして、Lダイバー、人間、どうするか考えていましたが、最終的に「元はLダイバーだが、今は人間。」に落ちつきました。

 彼は脳死した燈夜の意識に入り込んだLダイバーであり、ラスボスの「僕」と同じ存在です。

一つ違うのは、安直ですが燈夜には友人や恋人がいました。だから本能に屈服しなかったのです。

仮にクロを殺していたり、光輝を助けていなかったり、捜査を警察に任せていた場合、燈夜は雛美を殺して「僕」と一緒に逃げるEDもありました。ただそうするとプリズムの瞳とは齟齬が生じるため、採用しませんでした。実は作中にあった選択肢はその時の名残です。一つでも間違えると「僕」との対峙の場面で燈夜は本能に屈服し雛美を殺してしまいます。

 

②桐谷雛美について

 彼女は割とすんなりイメージが固まりました。

「プリズムの瞳」にも登場していましたが、今作は生徒会長やヒロインとしての側面を強めています。頭が切れる描写も入れ、しっかりした一面も見せられる様に頑張りました。

 彼女は光輝の妹の助けを無視した、とありますが、あれは光輝の思い込みです。栞には十分な助けも入り、いじめっ子達にも処分が下っています。しかし逆上したいじめっ子達により自殺に見せかけた殺人として栞は殺されていました。

遺書は確かに栞が書いたものでしたが、一部が改竄されていました。実の兄であるにも関わらず光輝は気づけなかった……というのが真実です。

ちなみに彼女の名前の由来は雛人形です。

雛人形と御代理さまとして雛美と燈夜をイメージしました。

 

藤堂光輝について

彼も悩みました。犯人にするか友人で終わるか。

最終的には友人であり犯人。というポジションに落ちつきました。彼は栞を殺された復讐として「僕」と出会い、利用し合う関係になります。

「僕」と出会ったのは現実世界です。

運命の引き合わせなのか、ある日光輝は「クロ」が女子を拉致している場面に偶然出くわしました。殺すのに丁度良い奴がいる。と光輝は「僕」に言います。この時、「僕」の目的と光輝の目的が合致。結果的に光輝はクロを使って3人を殺します。その後は「雛美」を殺すべく燈夜を利用しましたが、最後の最後で光輝は燈夜に説得されます。その説得は燈夜で無ければ出来ない内容でした。彼等2人の思い出が積み重なった事で悲劇を回避する事が出来たのです。

 

④「僕」ついて

「僕」はLダイバーでした。数年前、Re:dollの職員である長谷川が細工したヘルメットを少年の脳に被せると、「僕」が少年の意識内に潜み少年を蝕みます。本能に負けた彼は色々な女性を殺し、その肉体を食らう事でヒトに対し興味が湧き、凄惨な殺害を繰り返します。

「僕」が雛美を狙ったのは光輝の入れ知恵もありますが、生徒会長として働く彼女が好きだったから……という設定もあります。

 

 

⑤ 「変身」について

作中にたびたび登場する変身要素ですが、これは仮面ライダーよろしくウルトラマンよろしく、若者は何にでも変わることが出来る。というテーマを形作る要素として取り入れました。燈夜は作中でメタモルフィスを使い、敵と戦います。敵はチートを用いた強力な機体でしたが、ガンダムである。という事にこだわり過ぎていました。対して燈夜はガンダム以外のアイディアをメタモルフィスに注ぎ込む事で、メタ的に敵のガンプラを倒しています。メタモルフィスという名前にはメタモルフォーゼであり、メタ的な……という意味を込めました。「燈夜」と「僕」はガンプラに変身というか擬態する事が可能です。同じ能力でしたが、変われた「燈夜」と最後まで変わろうとしなかった「僕」との対比にもなっています。

良い方向に変われた燈夜は光輝と雛美を救う事に成功しました。これはヴァーチャルなガンプラの世界だけで無く、リアルの世界でも彼がヒーローになれた事を意味します。

 

 

以上です。読んでいただきありがとうございました。